逆さ撮り・盗撮犯罪小説「パンティ・イーター」

同僚から国際線CAまで半年間で200人以上を逆さ撮りした撮り師の独白

12. 大人のスカートめくり(4) 

次々と成功するスカートめくりに調子に乗った俺にも一度ピンチを経験した。その日も別の街で捲ってきた帰りだった。地元も最寄り駅付近で好みの年頃の30代の女をターゲットにして尾行していた。黒の半袖のトップスに暗めのピンクのスカートを履いていた。標準的なレベルの容姿だったが、ターゲットとしてはそれくらいがいいものだ。

 

いつもの様にしかけるタイミングを待ちながら女の後を歩く。しばらく歩くと、集合住宅地へと入って行った。そこの一つの棟へ女が入りかける。一階の階段横には集合ポストが並ぶ。階段をあがりかけようとするその時、女のスカートに手をかけた。しかし、思ったよりタイトでなかなか捲りあがらない以前のように力任せに行こうとも思ったが、雰囲気からしてこれはまずい、という空気を読み取った。女が「痴漢!!!!!!」と叫び、走る俺を追いかけてきた。全力で走る。見る見るうちに距離が広がって行くが、女も必死のようだ。俺はたどり着いたパチンコ店へ咄嗟に入った。今思えば、これもまずい判断だった。店内で追いつめられれば致命的だ。

 

不自然に店内を足早に歩く姿に、自分でもまずいなと思いながらいると、ガラス越しに女が走ってくるのが見えた。さすがにその姿を見た時は胸から心臓が出てきそうな、締め付けられる思いになった。見つかれば終わりだ。かなりまずい状況になってしまった。しかし、女は俺が店内にいるとは思わなかったようだ。店内に入ってくることはなく、通り過ぎて行った。様子を伺いながら再び外へと出た。再度全力で走りながら、近くのスーパーを目指した。女に姿を見られないように祈りながらなんとかたどりついた。すぐさま店員にトイレはどこか聞き、足早に向かった。男子便所の個室に駆け込んだ。鼓動はまだ早いままだが、なんとかこれでほぼ逃げ切ったと少しの安堵感がじわじわとこみ上げてきた。20分ほど個室の中で時が経つのを待った。

 

いくつもの判断ミスがありながらも逃げ勝ちきったのは、若かりし日の走力のおかげだった。女がその後通報したか、逃げられた悔しさを抱きながら数日過ごしたかはわからないが、自分の天狗ぶりの反省もあり、この一件後、無茶な行動は慎むようになった。以前捲ったスーツの女で満足したこともある。潮時だった。捕まる奴はいつもやめられずにミスをして捕まるのだ。勝ち逃げこそが賢明だ。それにしても、スカートめくりはパンティ好きの俺にとってはレイプと同じだった。いや、レイプよりも興奮するかもしれない最高の快楽だった。

 

白昼、路上で女のスカートを強引に捲り上げる。パンティに狂った男の性欲の暴走は20名の被害者を出した後、人知れずに終結した。夕暮れの中、たっぷりの疲労感を味わいながら危機を切り抜けゆっくりと帰る俺の夏は、この年、少し早めに終わった。

 

この街の女たちもしばらくは安心して歩けるようになったのだ。

また俺が動くまでは。

 

ここまでがおれの20代の頃のやんちゃな経験だ。次からは30代になりプロの撮り師の裏の顔を持つようになるまでの話をさせてもらおう。なぜ一度は足を洗った俺が再び、そしてさらに深く盗撮に嵌って行ったのか。